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空車」なのに止められない駐輪場の謎「空いててラッキーと思ったら使えなかった。どういうこと?」福岡市・天神の市役所で待ち合わせた男性が首をひねった。
ほぼ満車に近い路上駐輪場に空車レーンを見つけたが、自転車を止められなかったという。
現場に向かうと、自転車がないのに駐輪機のワイヤーがロックされ、解除するための鍵がない。
周辺を含めて30台分以上のレーンで鍵だけが持ち去られていた。
単なるいたずらか、何か意図があるのか、路上駐輪場の謎を追った。
「利用者も、私達も困っているんです」管轄する福岡市自転車課。前田利家課長の口から嘆き節が漏れた。
意味不明の鍵の持ち去りは昨年3月以降、毎日のように起き、修理に追われているという。
天神地区には約1800台分の市営路上駐輪場がある。
鍵が持ち去られているのは昨年1~3月に設置した504台分の「鍵付きワイヤー式」
100円を入れると鍵が抜け、ワイヤーで駐輪機に固定することができる。
同課によると、鍵がなく自転車を駐輪機につなげないレーンに自転車が置かれていることはほぼなく、犯人の手掛かりはない。
鍵の交換費は1台500円。利用再開までに約2週間かかるという。
前払いの鍵付きワイヤー式を導入した背景には、市の苦い経験がある。
放置自転車の取り締まりを強化した2014年以降、後払い式の駐輪場で100円払って他人の自転車の施錠を解き、自分の自転車と入れ替える手口が横行。入れ替えられた自転車は放置とみなされ、「撤去された」との抗議は多い月で10件以上に上った。
そこで約4千万円をかけて設置したのが前払い式だった。鍵ではなく暗証番号で開閉する最新型もあるが、1台当たり25万円と改修費が高額になるため導入を見送った。
改修後、ルールを守った自転車が撤去されることはなくなった。しかし、「鍵がしょっちゅうなくなってみんな迷惑している。改修前の方がまだよかった」という街頭指導員もいる。
なぜ鍵だけを持ち去るのか。まず浮かぶのは単純ないたずらだが、市役所近くに駐輪していた司法書士の男性は、「鍵を手に入れるために100円払う人はそういないのでは」
可能性はもう一つ、同課は、「目撃したわけではありませんが」と前置きしたうえで、「自転車を止めずにとりあえず100円払い、他人が使えないようにして、自分の都合のいい時間に使おうとしているのでは」という。市の委託事業者は毎朝の巡回で鍵のないレーンに使用禁止のテープを貼っているが、完全に防げるわけではない。
はかにどんな理由があるだろう。取材中、前田課長と考え込んだが、答えは結局でなかった。
市は監視カメラの設置も検討中。その前に不届き者を突き止めようと今月12日朝、被害が多い新天神町の路上駐輪場に張りこんでみた。寒風の中、3時間待ったが、犯人は現れなかった。
これは西日本新聞2018年1月18日の「あなたの特命取材班」の記事です。
西日本新聞は、暮らしの疑問から個人・地域の困り事、行政や企業の不正告発まで、情報提供や要望に応え、調査報道で解決を目指す「あなたの特命取材班」を創設しています。
この様な駐輪場での問題は全国どこでも起こりうる問題だと思います。
日本人はマナーの良さが定評でしたが、今では違ってきている様です。
さて本日は、熊本トムキャッツ展示会 2015 その11 です。


















