歩行者に「よけれっ!」 自転車マナー札幌は「最悪」? 取材で見えた”無法地帯”ぶり2018年4月から5月24日にかけて、北海道では5件もの自転車ひき逃げ事件が発生し、被害者は重軽症を負いました。
どうしてこんなに連続で起きているのでしょうか?そこには、気軽に乗れる自転車だからこそ芽生える「意識の甘さ」が見えてきました。
札幌市中心部。自転車で行き交う姿をよく目にする季節になりました。
しかし、よく見て見るとマナー違反による危険が潜んでいます。
水上孝一郎記者:「イヤホンしていますね・・・非常に危ない」
「人混みをかいくぐり、1台の自転車が出て来ました」
外の音を遮断するイヤホンをして運転したり、本来車道を走るべき自転車で、歩行者を押しのけるように歩道を走ったり。
車道は車道でも逆走するなど、今にも事故をおこしかねない危険な運転をする自転車が、次々と目に留まるのが実態です。
市民:「子どもが歩いていて、ひかれそうになったことがあります。」
市民:「(歩行中に) 『よけれ!』といわれた。 (自転車)後ろから来て、怒鳴られてそのまま降りないで行った。札幌は最高に(マナーが)悪い。
なかには実際にぶつかった人も。
自転車にひかれた経験者:「歩いていたら、いきなりすごいスピードで自転車が出てきて、ひかれたんです・・・。倒れたのに、『気を付けて見ていない私が悪い』って言われたから警察呼んだ」
北海道では4月から5月24日にかけて、5件もの自転車ひき逃げ事件が発生し、5人が重軽傷を負いました。
後を絶たない自転車ひき逃げ
そのうち札幌市内では、歩行者の2人が足の骨を折る大けがを負いました。自転車事故の危険性がわかります。
事故を引き起こす自転車のマナーの悪さ。これは走行に限ったことではありません。
札幌市中心部の歩道に止まる迷惑な放置自転車も、マナーの悪さの象徴です。
放置自転車 サッポロは全国ワースト3位
内閣府の最新の調査では、札幌市内の放置自転車の台数は全国主要30都市でワースト3位。
約7千台が歩行者の通行を妨げているのです。いたるところで、迷惑な自転車があります。
水上記者:「路上に記された駐輪禁止のマーク。ですが、駅前ビルの目前では、そのマークの意味がありません」
さらに取材を進めていくと、特に雨が降った日のJR札幌駅西側エリアでひどい実態が見えてきました。
それは、高架下のスペース。自転車が濡れずに置いておけるためか晴れた日より、放置自転車が多くなるようです。
狭いスペースに置かれるため、こんなマナー違反も・・・。
水上記者:「こちらの迷惑駐輪されている自転車をご覧ください。なんと点字ブロックにタイヤが出てしまっています。」
なぜマナーを守らないのか、利用者に聞くと・・・。
水上記者:「Q.この場所は駐輪禁止ですが?」
「駐輪場が遠くて、ここに停めちゃおうと思いました」
水上記者:「Q.ここ駐輪禁止エリアですが・・・?」
「外国人の男性:「知らないです。あ、外国人です」
「Q.撤去されますが?」
「買い物に行きたい。すぐに戻りますから。この辺いっぱい停まっていますから」
「Q.別の駐輪場もあるが?」
「わかりました。すみませんでした・・・」
この男性は別の場所へ移動していきました。わかっているのか、いないのか、自転車利用者の身勝手ともいえる言葉が返ってきました。
傘を差して「赤信号」で渡る
さらにもう一度道路に目を向けてみると・・・。
「一台傘を差して運転しているお父さんがいますね…。危ない」
(男性に)「Q.傘を差して危ないですが?」
「あぁ」
(その後)水上記者:「(男性は)赤信号で渡っていきました」
傘を差した片手運転は、3ヵ月以下の懲役、または5万円以下の罰金が課せられることも・・・。雨の日の札幌市内は、まさに”無法地帯”と化していたのです。
しかし、一度事故を起こせば、車と同じように被害者の救護と事故報告が義務となる自転車。
この事実をどれだけ知っているのでしょうか。
「Q:自転車事故の義務を知っていますか?」
女性:「わからないですね。多分知らない人のほうが多いんじゃないかな」
男性:「お互い何ともなかったらそれで終わりと理解していました」
誰でも気軽に乗れる自転車。しかし、その責任の重さは、多くの人が気付いていないようです。
「救護義務違反」は自転車でも「ひき逃げ」
(衝突音) 「キー!ドン!」
これは先日、札幌市内で高校生を対象に行われた交通安全教室。参加者は、普段乗っている自転車が、スタントマンにより、勢いよくぶつかる事故の様子を目の当たりにしました。
受講した生徒:「(今までは)音楽を聴きながらとか、信号も考えずに渡っていました。自分の身に起きたら危ないので、今度から気を付けようと思いました」
受講した生徒:「(スタントマンの再現を見て)、どれだけの衝撃か分かったので、これからはルールを守って事故を起こさないようにと思いました」
2017年、札幌市内では、自転車事故で3人が死亡、869人が重軽症を負いました。
そのうち、自転車側にも違反があったのが少なくとも204人に上っていて、ルールやマナーを守れば防げたものもありました。
警察は、自転車の利用者の意識の甘さがあってはいけない、と指摘します。
北海道警察交通部、太田見拓調査官:「道路交通法上、自転車は車やバイクと同じ車両。必要な措置をとっていれば交通事故として終了するが、それを怠ると大きなことになると認識していただきたい」
一方で、歩行者側も事故に巻き込まれないよう意識することが必要です。
市民:「自転車だけが悪いとはいえない。加害者になるかもしれないし、被害者になるかもしれないので、自分も子どももマナーを心掛けたい」
免許が要らず、気軽に乗れる自転車ですが、責任は決して軽くないという理解が、これまで以上に求められています。
北海道ニュースUHB
自転車事故や迷惑行為は、サッポロだけでなく、全国でも問題になっています。
特に「ひき逃げ」は、最近増えているようです。
「ぶつかった」のは「事故」ですが、救護措置を取らずに逃げると「事件」になります。
救護措置と事故報告は、必ず行いましょう。
「怪我していない」と自己判断して、「大丈夫?」と声かけだけして立ち去ると「ひき逃げ」になりますから要注意です。
また未成年(小学生)の起こした人身事故で、親が高額請求されたケースもあります。(裁判所判決)
1億円の賠償金を背負ったら、貴方はどうします? 一生終わりですよ。
自転車は、車やバイクと同じ車両という認識を持ち、マナーを守って運転して欲しいと思います。
さて本日は、熊本トムキャッツ展示会 2014 その19 です。

















